冬の札幌へ

今回は次男と二人旅です。最近息子それぞれと2人で出かけることがあって、少し不思議な感じです。数年前の我が家ではとても考えられないことなので、お互い丸くなったということでしょうか。

事の始まりは、長男が高校2年生の時、中部地方から九州地方へオープンキャンパスをはしごし、さらに冬の北海道に一人写真を撮りに行ったりしたものですから、当然次男も行きたいと。まぁ、一人で行かすには少々頼りないので、私もついでに仕事でお世話になっている方に挨拶しようと、冬の札幌へ向かいました。

到着した現地は気温-2度。曇天ですが風もなく、やっぱりちょっと寒いかな、という感じ。とりあえず、仕事でお世話になっている北海道大学のとある施設へ向かいました。徒歩で正門から40分くらいかかりますよ、と言われていたのですが、構内見学もしつつフラフラ歩いて向かいました。

こんなに駅に近くて広いキャンパスがあるなんて、恵まれてるなぁというのが第一印象。自転車圏内に大きな本屋や電気屋があったり何かと便利そうです。キャンパスには農学校時代の建物も保存してあり、自然も豊かでのびのびした印象でした。

目的の施設は、まだできて2,3年の新しい建物です。職場の人達は毎年何回も訪れているのですが私は初めてだったので、今まで写真から想像していたものが見られて嬉しかったです。

実験施設やセミナーホールなどもあるのですが、デザイン性が高く、あちこちに面白い部屋があって、最近のLaboってこんな感じなんだぁと驚きました。見学の後は、お茶をいただきながら札幌での暮らしや大学でのお話など伺って失礼しました。

お昼ご飯はとりあえず札幌駅でラーメンを。ありきたりなお店ですが、職場の人に勧められたので迷わずここで。

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日の入りが午後4時20分という札幌。まだ3時半なのに薄暗くなってきました。ここから藻岩山の山頂を目指します。ロープ―ウェー、ケーブルカーを乗り継いで到着した山頂は-6度。風はないけどやっぱり寒い~。手がかじかんでカメラの操作がままならないなんて初めて。

日本3大夜景に選ばれた夜景が見られましたが、寒さに負けて美しさを楽しむ余裕があまりなかったのが残念。イルミネーション撮影会には防寒対策しっかりしていこうと、心に誓った藻岩山でした。

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夕食はお勧めしてもらったスープカレーのGARAKUにて。辛みを調節してくれるし、スープにコクがあって美味しかったです。行列で30分くらい待ったかいがありました。

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足がなんだか重いなぁと思ったら、今日の歩数は14000歩。数字で見ると疲れが倍増、ホテルに帰ったらすぐに寝てしまいました。



さて、次の日も朝から晴れ間が見え、ほっとしたのもつかの間、昼ごはんに向かう頃には雪がちらつき始めました。街の温度計も-2度を指しています。赤レンガの道庁を通り過ぎました。

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やっぱり北海道にきてお寿司が食べたかった私。一皿100円の回転寿司とは違うねぇとしみじみ。

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最後にソフトクリームをISHIYA CAFEで。「白い恋人」石屋製菓のお店です。

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夏に来た時にどこで食べてもソフトクリーは美味しかったんですよねぇ。これは息子が頼んだレーズンパフェ。

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私はアフォガードにしました。お昼食べた後だったし。

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ここで何気なく空港行きの列車を調べたら、雪で運休が出ているのに気づき、慌てて駅に向かいました。

雪が降るってこういうことなんだなぁ。でも、北海道を訪れる観光客は一年中で2月が一番多いそうです。夏の涼しさよりも雪を求めてくる方の方が多いんですね。

やはり札幌も外国人観光客が多く、藻岩山では「-6!!」と目を丸くして話していた女性がいらっしゃいましたっけ。スキー服みたいにばっちり着こんでいるのはたいてい観光客でした。

さよなら北海道。美味しかったよー。

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きれいな夕焼けが見えました。

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息子の用事にかこつけて、食べ歩いた私はすっかり満足。今度はゆっくり写真を撮りに訪れたいです。

それではまた。

小田原を楽しむ@江之浦測候所(小田原文化財団) 

冷たい雨の降る日、根府川という小さな駅に着きました。

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懐かしい感じの小さな駅。Suica使えるかな?と一瞬心配してしまったほど。

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駅からシャトルバスに乗って、山道を登ります。窓からは小さい頃近所にあったような家々。そんな静かな場所に、3か月前に幼なじみが予約してくれた小田原文化財団の江之浦測候所はありました。

小田原文化財団は杉本博司さんが作った財団です。杉本さんは『海景』、『劇場』シリーズなどで有名な写真家であり、昨年、東京都写真美術館リニューアルオープン記念のインスタレーション「ロスト・ヒューマン」、直島の護王神社、東京都庭園美術館やMOA美術館の改修を手がけている現代美術作家です。

その杉本さんが人生の集大成として開館されたのが江之浦測候所。

スタッフに案内された待合室に入ってガイドブックを受け取ります。森に溶け込むような透明感が美しい建物でした。

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階下のお手洗いに行ったら、廊下に劇場シリーズの写真が飾られていました。なんという贅沢・・・・。

ここから2時間、のんびり敷地内を回ります。雨が降っていたことで、静けさをより感じられたような気がします。

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硝子舞台と海が一つになります。

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ここが一番好きでした。

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穏やかな相模湾。水平線を見たのは久しぶり。

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これは止め石。これ以上は先に進めないところに置いてあります。

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硝子舞台は清水寺と同じ方法で支えられているそうです。

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ここからギャラリーを眺めるとこんな感じ。ギャラリーの先端に展望スペースがあります。

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ギャラリーは細長い建物でその長さ100メートル。まっすぐに海に向かって伸びています。夏至の日の太陽の光がまっすぐに差し込むそう。

ギャラリーの片側はガラスだけでできているのですが、ゆがんでみえるので不思議な感覚に陥ります。さらに屋外にいるようにも思えます。ガラス窓と対面の壁に『海景』が展示されていました。

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配置された石造物は、数年に渡り収集された古墳時代から近世までの考古遺物だそうです。これも平安時代の日吉大社の礎石を水鉢にしたもの。水に映った木々を見ていると、千年前にタイムスリップするような気分になりました。

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お茶をたしなむ友人は、千利休の「待庵」を一部の違いもなく写した茶室「雨聴天」をとても楽しみにしていました。茶室の屋根に使われたトタン屋根に降る雨が響く音を聴く、まさに茶室の名の通りの体験ができたそうです。
茶室の躙口は春分秋分の太陽の光が日の出とともに床に差し込むように作られていて、その時、そこに置かれた光学硝子の石が輝きます。

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茶室の外には箒で作られた垣根。
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茶室の前にある石造り鳥居。山形県にある重要文化財の石鳥居を模したものです。先ほどの茶室躙口の海側にあって、春分秋分の光がここにまっすぐに差し込むそうです。

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太陽の動きを考え、節目節目の光が差すように色々な建造物が作られています。見ている私もそんな様子を思い浮かべながら景色を眺めたり、石造の歴史を考えながら歩いていると、いろんなことがそぎ落とされて、ただのヒトになっていくような気持ちになりました。

室町時代の渡月橋の礎石です。波紋の広がりはどこまでも続きます。

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最初は何となく固まって動いていた人たちもまばらになってきました。人が少なくなったので冬至光遥拝隧道(トンネル)へ。70mのトンネルが海に向かって突き出しています。

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冬至の日、朝日がここをまっすぐに通って対面の巨石を照らすように作られました。

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隧道の中ほどに採光のための井戸には舞台と同じガラスの破片があります。雨を浴びてキラキラと光っている様が、井戸にしては異質で不思議な感じがしました。

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そして、隧道から眺めた海。ここにいるのは海と自分だけ。

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冬至の朝日が差し込む様子を想像しました。

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まだ工事中の場所もあったのですが、杉本さんは遺跡になることを考えてすべての物を作っているそうで、ここが数年、数十年たった時どんな景色になるのだろうと思いを馳せました。
今はまだ斜面にまばらに植わっている小さな蜜柑の木々も、大きくなるんだろうな。

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その間も太陽は動いて何度も茶室を、隧道を、ギャラリーを照らすのでしょう。杉本さんの思想に基づいて全て作られた場所。友人は「聖地」と称しました。

本当に時間がたつのを忘れてしまって、スタッフの気配を感じて時計を見るとバスの時間が10分後に迫っていました。慌てて出口に向かう途中で茶室から戻ってきた友人と合流(笑)

駅に戻り、お昼ご飯を食べるため小田原に移動しました。
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小田原駅を降りて目指したのは小田原城の敷地内にある報徳二宮神社。二宮金次郎を祭った神社です。神社の中にあるカフェはその名も“きんじろうカフェ”と“カフェ小田原柑橘倶楽部”。

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この日は柑橘倶楽部のビーフシチューをいただきました。雨に冷えた体にほっとしたら、お腹が空いていたのを思い出した私達(笑)すっかりヒトから現代人に戻っちゃったなぁ。
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友人がここで買った御朱印帳。

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緑に包まれて気持ちよかった。

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境内はすっかり初秋の趣。

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深い色の紫陽花には秋の冷たい雨がお似合いでした。

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箱根の通過点としか思っていなかった小田原。他にも魅力的な所があるようです。次はいつ来れるかな・・・。

この秋は友人と京都、草間彌生美術館、江之浦測候所と現代アートを歴訪しました。

いつも新しい世界を教えてくれる彼女。この前、4年前に一緒に行ったセカオワのライブの写真が出てきてすっごく懐かしくなりました。あれから色々あったけど、またこうして一緒に出掛けられる時間がとてつもなく楽しくて大事な時間になってきています。
またどこか行けることを願いつつ、今日はこの辺で。








幼なじみと行く現代アート@京都 その弐

さて、ガラスの茶室を後に次に向かうのは祇園です。

都をどりの会場として知られる祇園甲部歌舞練場内の「八坂倶楽部」という、大正 2 年に建てられた築 104 年の伝統的日本建築の有形文化財の建物では、現在フォーエバー美術館コレクションの草間彌生の作品が展示されています。ここでの鑑賞は、日本家屋を利用した畳敷きの空間と畳に座って鑑賞する鑑賞スタイルです。
こんな感じ。ここはスマホでの撮影可でした。 photo by Sh

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今日のランチはここの美術館で食べることにしていました。美術館に入館しないと入れないカフェなので、おそらく空いてるだろうと思っていたら・・・結構混んでいました。平日なのに若い女性でいっぱいです。草間さんの人気ぶりが分かります。

だって、もうカフェの入り口からおっしゃれ~なのです。

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床のタイルもシックな建物とナチュラルなお店に似合います。

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ライトがハートみたい。

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カウンターの中のタイルとか、昔の台所っぽくて。

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色の剥げたライトも味があります。

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大きな窓から眺めるお庭の緑が綺麗でした。

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頼んだのは限定ランチセット。野菜たっぷりのハンバーグと雑穀米、スープ付きです。

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そして、デザートに水玉が!!

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友人はイチゴロールケーキ、私は白玉あんみつです。盛り付けされた器も水玉~。
野菜たっぷりで、かなりおなか一杯になりました。

さて、展示を見に行きます。スマホ撮影可の部分だけ。

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草間彌生さんの作品には圧倒的なエネルギーを感じます。じっと見てると引き込まれて飲み込まれそうな。だからこそ目が離せないというか。

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ここのコレクションは2000年前後の作品が多かったのですが、コラージュ作品や動物、魚、花、靴、洋服などのモチーフの作品が中心で、親しみやすい感じがしました。

さて、お庭に出てみるとまず建物の大きさに驚きます。

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昔の建物ですが廊下や階段も広く、舞妓さんたちが行き来しやすいように建てられてるのかな、と思いました。

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避雷針までデザインされています。

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日差しは夏ですが、風が吹いて気持ちいい。

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さて、お庭も堪能したので、最後に玄関におかれているあれを。

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友人が好きなかぼちゃのヘタ。草間彌生さんのかぼちゃのオブジェは幾つかありますが、それぞれヘタの模様も違うそうです。

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飾られたちょうちんがお祭り感を盛り上げます。
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こちらは弥栄会館。ピンクのタイル張りや細かい模様が施された外観は華やか。ここでは観光客向けに日本の伝統芸能が楽しめるようです。

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さて、見るべきところも見たし、京都タワーの1階にあるKyoto Tower SANDOでお土産を購入し、新幹線に乗りました。

濃密な京都滞在時間は6.5時間。目的を絞ってそれぞれの滞在時間をゆっくりとったので、時間の短さを嘆くこともなかったです。彼女も私も普段は時間をかなり拘束されるので、久しぶりに丸一日一緒に過ごすことができて楽しかったし、京都の新しい楽しみ方も見つけた気分。
今回もお読みいただいてありがとうございました。
それではまた。
 

幼なじみと行く現代アート@京都~その壱

幼なじみのShさんから連絡が入ったのは先月の中旬。京都で見たいものがあり、今行かないと展示が終わってしまうということでした。現代アートや現代建築が好きな彼女にくっついて今までもいろんな展示を見に行ってきたので、今回も「面白そう、行く!」と即答。

彼女は小学校からの同級生なので、もちろん修学旅行も一緒でした。そう、“新幹線に乗る練習”を一緒にしたのを思い出したりして、あっという間に京都に到着。
目指したのは東山の将軍塚青龍殿。ここに、吉岡徳仁さんのガラスの茶室~光庵~が建てられていました。

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「ガラスの茶室-光庵」は、2011年に開催された第54回ヴェネツィア ビエンナーレ国際美術展 Glasstress 2011にて日本文化を象徴する茶室建築プロジェクトとしてデザインが発表されたそうです。

間近でみる茶室は太陽にキラキラひかり、うっすらと碧緑の色が木々や空の色となじんで、建物なんだけど空気のような、でも踏み入れるのはちょっと勇気がいるような佇まいでした(もちろん中には入れないけど)。

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東山の山頂なので京都市内が一望できます。将軍塚というのは、桓武天皇が平安京を作る際に和気清麻呂に伴われ登られて、ここを都とすることを決め、将軍の像に甲冑を着せ埋めて、都の安泰を祈ったと伝えられているからだそうです。

桓武天皇の気持ちで眺めてみてはいかがでしょうか。

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畳の代わりに敷かれているガラスがベンチになっています。波上の模様が無機質なガラスに自然の気配を生むような気がしました。

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まるで水の中のように揺らめきます。

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ガラスの茶室が発表された時、彼女はお茶を習いたいと思ったそう。

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そして、今年に入ってお茶を習い始めた彼女はお茶道具を持ってきていて、ここでお茶をたててくれました。

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とても素敵な思い出ができました。ありがとう~。

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ここに来るには、平日はあまりバス便がなくタクシーで京都駅から20分。行きのタクシー運転手さんに2時間後に迎えに来てもらうことにしていました。

観光客も途切れず訪れます。多分2時間もいたのは私達くらいだと思われますが、それでもなかなか人が途切れない・・・・みんな建物の方に集まって空を背景に茶室をとりたいなぁとカメラを構えていました。
急に隣の若いお嬢さんが「お母さーん」と可愛い大きな声で呼びかけました。どうも、茶室の向こうに一人だけ立っていたのがその子のお母さん。お嬢さんが周りの空気を察して呼んでくださったようでした。一斉聞こえるシャッター音(笑)

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その母娘は後で訪れたカフェでもお見かけしたので、同じコースを回っていたようです。


さて、残り時間も少なくなってきました。太陽も真上から照り付けてきます。光のキラキラを撮りたくてモノクロにしてみたり、

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フォーカスを外して光を玉ボケにしてみたり。

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お互いに撮りあってみたり。

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photo by Sh

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国宝青不動をお祀りしている青龍殿には最初に立ち寄っていました。彼女は御朱印を頂き、私は一応受験生を抱えておりますので、護摩符を奉納させていただきました。

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ここに再建されからまだ数年なのでピカピカです。

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日差しはまだまだ強いけど、お庭のもみじも少し色が変わっていました。

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茶室は無くなっても、大舞台から夕日や夜景を眺めたり、美しいお庭もあるそうです。

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きっかり2時間。最初は間延びするかと思ったけど全然そんなことなくて、心置きなくこの場を離れることができました。
さて、午後は真反対のビビットで刺激的なアートを見に行きます。

それは次回。