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小田原を楽しむ@江之浦測候所(小田原文化財団) 

冷たい雨の降る日、根府川という小さな駅に着きました。

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懐かしい感じの小さな駅。Suica使えるかな?と一瞬心配してしまったほど。

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駅からシャトルバスに乗って、山道を登ります。窓からは小さい頃近所にあったような家々。そんな静かな場所に、3か月前に幼なじみが予約してくれた小田原文化財団の江之浦測候所はありました。

小田原文化財団は杉本博司さんが作った財団です。杉本さんは『海景』、『劇場』シリーズなどで有名な写真家であり、昨年、東京都写真美術館リニューアルオープン記念のインスタレーション「ロスト・ヒューマン」、直島の護王神社、東京都庭園美術館やMOA美術館の改修を手がけている現代美術作家です。

その杉本さんが人生の集大成として開館されたのが江之浦測候所。

スタッフに案内された待合室に入ってガイドブックを受け取ります。森に溶け込むような透明感が美しい建物でした。

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階下のお手洗いに行ったら、廊下に劇場シリーズの写真が飾られていました。なんという贅沢・・・・。

ここから2時間、のんびり敷地内を回ります。雨が降っていたことで、静けさをより感じられたような気がします。

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硝子舞台と海が一つになります。

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ここが一番好きでした。

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穏やかな相模湾。水平線を見たのは久しぶり。

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これは止め石。これ以上は先に進めないところに置いてあります。

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硝子舞台は清水寺と同じ方法で支えられているそうです。

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ここからギャラリーを眺めるとこんな感じ。ギャラリーの先端に展望スペースがあります。

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ギャラリーは細長い建物でその長さ100メートル。まっすぐに海に向かって伸びています。夏至の日の太陽の光がまっすぐに差し込むそう。

ギャラリーの片側はガラスだけでできているのですが、ゆがんでみえるので不思議な感覚に陥ります。さらに屋外にいるようにも思えます。ガラス窓と対面の壁に『海景』が展示されていました。

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配置された石造物は、数年に渡り収集された古墳時代から近世までの考古遺物だそうです。これも平安時代の日吉大社の礎石を水鉢にしたもの。水に映った木々を見ていると、千年前にタイムスリップするような気分になりました。

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お茶をたしなむ友人は、千利休の「待庵」を一部の違いもなく写した茶室「雨聴天」をとても楽しみにしていました。茶室の屋根に使われたトタン屋根に降る雨が響く音を聴く、まさに茶室の名の通りの体験ができたそうです。
茶室の躙口は春分秋分の太陽の光が日の出とともに床に差し込むように作られていて、その時、そこに置かれた光学硝子の石が輝きます。

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茶室の外には箒で作られた垣根。
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茶室の前にある石造り鳥居。山形県にある重要文化財の石鳥居を模したものです。先ほどの茶室躙口の海側にあって、春分秋分の光がここにまっすぐに差し込むそうです。

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太陽の動きを考え、節目節目の光が差すように色々な建造物が作られています。見ている私もそんな様子を思い浮かべながら景色を眺めたり、石造の歴史を考えながら歩いていると、いろんなことがそぎ落とされて、ただのヒトになっていくような気持ちになりました。

室町時代の渡月橋の礎石です。波紋の広がりはどこまでも続きます。

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最初は何となく固まって動いていた人たちもまばらになってきました。人が少なくなったので冬至光遥拝隧道(トンネル)へ。70mのトンネルが海に向かって突き出しています。

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冬至の日、朝日がここをまっすぐに通って対面の巨石を照らすように作られました。

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隧道の中ほどに採光のための井戸には舞台と同じガラスの破片があります。雨を浴びてキラキラと光っている様が、井戸にしては異質で不思議な感じがしました。

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そして、隧道から眺めた海。ここにいるのは海と自分だけ。

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冬至の朝日が差し込む様子を想像しました。

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まだ工事中の場所もあったのですが、杉本さんは遺跡になることを考えてすべての物を作っているそうで、ここが数年、数十年たった時どんな景色になるのだろうと思いを馳せました。
今はまだ斜面にまばらに植わっている小さな蜜柑の木々も、大きくなるんだろうな。

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その間も太陽は動いて何度も茶室を、隧道を、ギャラリーを照らすのでしょう。杉本さんの思想に基づいて全て作られた場所。友人は「聖地」と称しました。

本当に時間がたつのを忘れてしまって、スタッフの気配を感じて時計を見るとバスの時間が10分後に迫っていました。慌てて出口に向かう途中で茶室から戻ってきた友人と合流(笑)

駅に戻り、お昼ご飯を食べるため小田原に移動しました。
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小田原駅を降りて目指したのは小田原城の敷地内にある報徳二宮神社。二宮金次郎を祭った神社です。神社の中にあるカフェはその名も“きんじろうカフェ”と“カフェ小田原柑橘倶楽部”。

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この日は柑橘倶楽部のビーフシチューをいただきました。雨に冷えた体にほっとしたら、お腹が空いていたのを思い出した私達(笑)すっかりヒトから現代人に戻っちゃったなぁ。
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友人がここで買った御朱印帳。

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緑に包まれて気持ちよかった。

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境内はすっかり初秋の趣。

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深い色の紫陽花には秋の冷たい雨がお似合いでした。

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箱根の通過点としか思っていなかった小田原。他にも魅力的な所があるようです。次はいつ来れるかな・・・。

この秋は友人と京都、草間彌生美術館、江之浦測候所と現代アートを歴訪しました。

いつも新しい世界を教えてくれる彼女。この前、4年前に一緒に行ったセカオワのライブの写真が出てきてすっごく懐かしくなりました。あれから色々あったけど、またこうして一緒に出掛けられる時間がとてつもなく楽しくて大事な時間になってきています。
またどこか行けることを願いつつ、今日はこの辺で。








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